1998市場動向概要①/市場動向概要1998-2017「ヘルスフードレポート healthfoodreport」Ⓡ山の下出版Ⓒ
月号 1998/01/01
コード 2808
タイトル 健康志向食品/原料動向1 フラボノイド系抗酸化機能と高分子多糖体系免疫賦活機能の両
分野で普及へ
昨年までの状況を踏まえ、今後の動向を探ると、大きく分けてフラボノイド系抗酸化機能素材と
高分子多糖体系免疫賦活機能素材のふたつの分野で普及されていくものとみられる。 フラ
ボノイド系抗酸化機能素材は、昨年店販ルートにまで普及したイチョウ葉
や、すでに市場に定着したプロポリス、アロエ、青汁などの他、松樹皮、ノコギリヤシ、ブドウ種子
、エキナセア、シリマリンなど比較的最近紹介されている、広い意味でのハーブ素材。 植物が生
態防御機能として本来持っている葉や種子、根、樹皮の抗酸化機能な
どの機能成分(フラボノイド等)を打ち出すもの。 素材により、疾病の治療を目的に利用される
ものと、予防的に利用されるものがあるが、それは、臨床例の整った機能成分含有量による。
製品の目的により、目的機能成分を抽出するなどし
て提案されているが、多くは循環器系疾患改善目的である。 高分子多糖体系免
疫賦活機能素材は、広い意味での食物繊維で、椎茸菌糸体や霊芝、アガリクス、マイタケなどの
茸類や、海藻、コラーゲン、植物発酵食品など。
腸内環境改善素材でもあるが、目的機能を免疫賦活に置き、癌や肝炎、アレルギーなどの改善
目的に利用されているもの。 ポイントは、免疫賦活機能を発揮するために大量に摂取し
なければならないこと。茸類のデータでは少なくとも生換算で百グラム以
月号 1998/01/02
コード 2809
タイトル 健康志向食品/原料動向2 フラボノイド系抗酸化機能と高分子多糖体系免疫賦活機能の両
分野で普及へ
上で維持、改善が報告されており、毎日の摂取のためには、高濃度品開発と価格面が課題とな
っているところ。 そのため現在までの中心ニーズは、医薬品との併用や、適切
な医薬品のない疾病(C型肝炎等)の健康維持・改善素材であり、抵抗
力をつけるなど予防的なニーズが周辺にある状況。 毎年リニュアルするダイエット市場では、
ハーブ素材系か食物繊維系の中から選択されて登場するわけだが、昨年からのキトサンに続く
素材としては、ブドウ種子、そしてヒマワリ種子があげられており、いわゆ
るシード・オイル関連素材に注目したい。
月号 1998/01/03
コード 2810
タイトル 健康志向食品/受託加工動向1 生き残りかけ中期策検討し独自開発素材
の提案必要
健康志向食品の受託加工メーカーも苦戦を強いられている。 特に、ただ単に素材
の乾燥粉末品を打錠したり、脂溶成分をカプセル化したりするだけのメーカーは、新たな菓子受
託加工メーカーや医薬品メーカーの参入等により、価格競争に巻き込
まれてしまっているのが現状。 製品のロット数が小さくなっている状況は、今後
も継続していくものとみられており、厳しい見方をすれば、生き残りをかけ、なんらかの手を打っ
ていかなければいけない状況ともいえる。
今後の方策として、前年比で伸びている受託加工メーカーの取り組みを探ると、やはり、独自素
材を開発し提案している例が多い。 単に、商社的に素材を輸入し提案するだけでなく、機能成
分の抽出や、脂溶成分の粉末化、酵素処理、マスキング、低吸湿性化、脱
臭、脱色、溶解性向上など様々な方法により、独自開発素材として再提案している。
すでに市場にある素材でも、使いにくい点を改善するだけで大きく伸ばしているメーカーも
ある。 加工特性を改善することで、明らか食品へと採用が
広がっている例もある。 加工食品市場で鮮度保持、賞味期限延長が大きな課題となっている
ことを受け、抗酸化機能素材を改善し天然の鮮度保持剤として提案している例はおおいに参考
となる(その逆の場合もあり着目したい)。 他にも、剤形自由化によ
月号 1998/01/04
コード 2811
タイトル 健康志向食品/受託加工動向2 生き残りかけ中期策検討し独自開発素材
の提案必要
るリニュアル提案、菓子受託加工メーカーとの提携、ドラッグルート年間配荷予定に基づいた製
品開発提案、独自の提案情報(紙・誌)発行……など、様々な取り組みが進められているところ。
いずれも、各メーカーがこれまで築き評価されてい
る得意分野の延長線上にある内容で成功しているのが注目点。 市場の動きを的確
に把握すると共に、自社カラーを打ち出しながら取り組める内容の中期策をまとめ、立ち上げる必
要があるといえそう。
月号 1998/03/03
コード 2854
タイトル 健康志向食品/原料動向 「不信感」を払拭するために「情報公開」必要
昨年の市場の動きを振り返ると、前半のクロレラなどに象徴される販売不振を受け、全体も低調
に推移した。 そのキーワードともいえるのが「不信感」。 販売方法や製品
内容(成分含有量、機能など)、価格、安全性などに対し、メ
ーカーサイドからの一方的な情報を信用しなくなってきたことがあげられる。 社会全体の規制
緩和・再構築など、これまでつくりあげてきた「かたち」を見直す流れに、健康志向食品市場も、ま
ず価格面から影響を受ける結果となった。 適正価格を決めるための
条件である、生理機能の確かさや機能成分含有量、安全性、そして販売方法までもが購入時の
判断ポイントとなってきている。 みな当然のことではあるが、影響が大きいということは、コ
スト追求や生理機能研究などについて、おろそかにしてきた部分も大き
いと考えられる。 利益追求のブームづくりや、体験談の虚偽報告、他のメーカー・研究者
研究の流用など、企業姿勢が問われる状況が放置されてきた結果ともいえる。 もちろん、
誠実に、利用者に向いた努力を重ねてきたメーカーも多い。
しかし、「不信感」は、 一部の行動で広がっていくものである。 教訓として、市場全体
として、この「不信感」を生み出さないよう企業行動や製品内容をチェックするシステムの構築が
必要なのかもしれない。 少なくとも「不信感」を
月号 1998/03/04
コード 2855
タイトル 健康志向食品/原料動向 「不信感」を払拭するために「情報公開」必要
払拭するために、「情報公開」を積極的に進めるとともに、特に中・長期的な計画のもとに生理機
能研究のレベルを上げていくことが大切となる。 ここ数年日本市場に提案されている
素材には、すでに欧米で医薬品としての実績と、生理機能を確認する
バックデータが整っているるものが多い。 原料供給段階でも、原料製造方法や各ロット
の分析結果、通関検査内容、保存品質管理など原料の信頼度を高めるシステムの構築が必要で
ある。 二十一世紀に主要な問題となる、高齢化社会到来、
医療負担増加、治療から予防など諸状況から、健康志向食品が日常の食生活で相当の位置を占
めるのは間違いないだけに、それなりの自覚、使命感を持って普及啓蒙に努めていくことが必要
となる。 12w/77L
月号 1998/03/05
コード 3864
タイトル 1998動向用 素材生理機能
健康志向食品各素材の持つ機能成分、及び機能内容の研究が積極的に進められている。
日本で、機能性食品、特定保健用食品等の開発に向けた機能・成分の特定作業や、海
外で、医薬品として使用されている素材の輸入等により、明らかにされて
きたものだ。 背景として、体験談など不確かな疾病改善情報や、メーカーからの一方
的な情報ではなく、客観的な、科学的データを求める利用者が増えてきたことがあげられる。
また、市場でバラつきのある価格や、機能成分含有
量、機能発揮量などを総合的に判断して購入したいというニーズでもある。 期待される機能
が自覚できる製品を適切な価格で購入したいということだ。 必要なのは、機能成分のメカニズ
ムを解明する基礎研究に加え、動物実験、そして、人での臨床データと
なる。 抗酸化機能や免疫賦活機能など様々な疾病の改善に関わる機能を確認し
た後、特徴的な疾病の改善に焦点をあて、臨床データをとっていくこともポイント。なによりも判り
やすさが大切だ。 海外で、すでに医薬品と
して提供されている素材では、当然であるが、臨床データが整っており、理解が得られやすい。
さらに利用者の立場に立って機能内容を考えると、最も重要なのは機能発揮量といえる
。 一日の摂取「目安量」表示については認められてい
月号 1998/03/06
コード 3865
タイトル 1998動向用 素材生理機能
るのだから、発揮量を特定した上で適切に表示していくべきである。 これら、素材の生
理機能確認の研究を進める時、必要なのが臨床医師の協力となる。 各素材の期
待される生理機能に関わる疾病の医学誌・学会誌等から検索して、
協力を求めていくことから始めなければならない。 食品としての生理機能素材として、理解を
求めるとともに、その社会的意味までの説明が必要だ。 ただ単に、利益追求の姿勢が窺え
るようでは、協力は得られない。 その意味でも、将来を見
据えた、着実な計画と展望について、いま一度検討したい。 12w/73L
月号 1998/03/07
コード 3866
タイトル 1998動向用 流通ルート
流通する健康食品のルート別市場規模は、訪問販売・通信販売など無店舗ルートが半分以上
を占める。 薬局・薬店、ドラッグストアなど薬系ルートや、健康自然食品店、デパート健康食品
コーナーなど専門ルート、スーパー、コンビニなど食系ルートといった店
販ルートが三割から四割となる。 残り、職域ルート、施設ルート、鍼灸ルート、給
食ルート他様々なルートに展開されているところ。 製品の発売に際し、展開していくルートの
検討は充分に行いたい。 すでに自社で持っている
ルートと、製品内容との適性も検討したい。 新規ルートを開拓していく場合は、各ルートの
卸・流通業者を数社、実際に訪れ、反応を確認することが大切だ。 納入条件や健康
食品に対する評価、製品内容に対する評価など、各ルートによ
り違いがある。 何よりも、人、会社も含め売り込む必要がある。 単なる商品の売り込
みには拒絶反応が示される社会状況にある。 現在どのルートもそれなりに厳しい状
況にあるが、各ルートで確実に定着している製品もある。
数年前は、価格競争が激しく、新規参入がしやすい状況にあったが、現在は、信頼度の高い定
番品が落ち着きを見せている。 この傾向はどのルートでもあり、その意味では同じ内容の
製品でも「勝ち組」と「負け組」に分けられるようだ。
月号 1998/03/08
コード 3867
タイトル 1998動向用 流通ルート
「勝ち組」となるためには、企業姿勢、人も含めた誠実な取り組みが必要。 また、食生活も含
めた健康維持、改善情報、アドバイスができるよう、教育も欠かせない。 基本的に、健
康食品は全てのルートで販売可能なため、ルート開拓は無限であ
る。 各県の商工図書館や商業情報発信施設で整備されている各種業種リスト
から探っていくこともできる。 業種を問わず法人に向けた代理店募集ダイレクトメールなど、狙
いを絞った情報発信を行いながら開拓に成功している企業もある。
各種団体のイベント、総会等への協賛を通じて開拓している企業もある。 独自ルート構築を
目指しての、堅実な、着実な努力が望まれる。 12w/76L
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